明啓塾の理念
「弱者の為の空手道」
私は若い頃から、格闘技・武道が好きで、アマチュアレスリング・キックボクシング・拳法と、強くなりたい一心で稽古していました。しかし大学生の時、体を壊し、全てを断念せざるを得なくなりましたが、どうしても、もう一度と、武道の世界に強く惹かれ、30代にして空手の世界に改めて入ることになりました。
50才になるまで、3つ、4つの空手流派で稽古を重ね、大変勉強させていただきました。その結果、私の“空手人生”において一つの考え方を確立することができたのです。私が所属していた流派はフルコンタクトであれ沖縄空手であれ、全て私にとっては「強者の為の空手」であったのです。私もそれを求めていたのも事実ですが。
各流派指導者の方々は、全日本チャンピオンクラスの先生で、私のような当時中年にさしかかった凡人に対して、「なんでこんな事ができないのですか?」と本当に困っていた事を今でも思い出します。自分の高いレベルで他人を見てしまう。強者ゆえ弱者の気持ちが理解できなかったのでしょう。 そんな私でも長い間空手を続ける事で、試合組手の指導者になった際、「弱点をなくす強い空手」ではなく、「長所を伸ばす弱者の空手」を指導でき、結果数名のチャンピオンを出す事が出来たのです。その際、決して「空手道」とは、強者になる為だけのものではなく、弱者がいざという時に「折れない心」をもてる「弱者の為の空手」もあるという事を確信致しました。
明啓塾では「弱者の為の空手道」を基本理念とし、みなさんが、楽しく(*楽しくなくてはいけません)参加でき、且つ、「昨日の自分より強くなる事」を目標とした空手道を歩むことを道義といたします。
明啓塾にて、「敵は決して組手相手ではなく、自分であること」を体感していただければ幸いです。
2013年 日本空手道 明啓塾代表 松葉啓
1958年中野生まれ 空手18年 キックボクシング2年 レスリング3年
現在、一級建築設計事務所アーキテクトケイの代表取締役を務める。